外道衆
『侍戦隊シンケンジャーと外道衆
外道衆とは、三途の川に棲息する化け物たち。この世とあの世の狭間に住む六道輪廻から外れた世界、冥府魔道の住人たち。「六門船」と呼ばれる和船を拠点とし、この世=人間界にある「隙間」から次元間を移動して人間界へと現れます。姿形は異形、まさしく怪物・化け物ですが、思考・感情などは人間と大差なく、価値観の違いだけです。幹部格は全員七福神及び海の生物がデザイン上のモチーフになっていて、その名前には人体の構成要素を意味する文字が使用されています。
概要
自分たち外道衆による人間界の蹂躙・支配を目的としていますが、三途の川から長く離れると川の水が抜けて体が干上がってしまう「水切れ」を起こすため、人間界での長時間の活動ができないことが障害となっています。三途の川は人間が苦しみ不幸になると水かさを増すことから、人々を襲い苦しめることで三途の川を人間界まで氾濫させ、水切れの心配なく人間界を支配しようとします。単純に破壊活動を行って多数の人々を苦しめることもあれば、量より質ということで一人の人間の心を弄んで苦しめることもあるなど、正に「外道の衆」。
外道衆の支配者
本編で活動する外道衆の支配者は、強大な力とアヤカシを「縛る」能力を併せ持つ血祭ドウコクですが、単独で行動する腑破十臓や、筋殻アクマロ管轄のアヤカシ、暴食的フォルムが特徴な脂目マンプク率いる「クサレ外道」など、全てがドウコクの管理下にある訳ではありません。なお、ドウコク管轄下の外道衆は『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー』においてブレドランにより最終的に壊滅に追い込まれています。
存在と能力
大半が三途の川でアヤカシとして生まれた存在ですが、薄皮太夫と腑破十臓のように、人間が「外道に堕ちる」ことによりアヤカシに変化した「はぐれ外道」が存在します。彼らは半分が人間=この世のものであるため、人間界でも水切れを起こすことはなく、モヂカラによる封印さえも不可能な存在ですが、反面その大半が外道に堕ちた後受ける強い憎しみに、器が耐えきれず数年で崩壊してしまうため、数百年生き続けていられる例は極わずかで稀な存在です。また、人間であるがゆえ、命は一つしか持っておらず、二の目になる能力はありません。
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血祭ドウコク(ちまつりドウコク)
声:西凜太朗 外道衆の長。長身痩躯だが全身に鎧や棘のような意匠を身に付け、荒武者を彷彿とさせます。武器は龍の意匠の入った「昇竜抜山刀(しょうりゅうばくざんとう)」「降竜蓋世刀(こうりゅうがいせいとう)」という大刀と小刀で、酒を飲んでいる時以外は片時も手放しません。アヤカシたちからは「御大将(おんたいしょう)」と呼ばれています。短気な性格で、本気で怒ると手がつけられず、太夫と酒以外ではなだめられません。笑って済ませられる範囲でのアヤカシの悪ふざけや軽口・冗談などに対しては比較的寛容な態度を示す一方で、外道衆全体に対する反乱や明らかに自分に対する敵意を持った行為に対しては厳しい態度を取り、制裁を下すこともあります。また、敵意を持っているゴズナグモを出入り禁止にするに留めてそれ以上の罰を与えていないことから、たとえ敵意を持っていたとしても「内心に留まっている限り(反乱を起こすなど、実際の行動に移さない限り)」、特に処罰するようなことをしないことも分かります。
薄皮太夫(うすかわ だゆう) / 薄雪(うすゆき)
声・人間体(薄雪):ドウコクの側近。姉御口調(一人称は「わちき」)で、常に三味線を携え不気味な音色を奏でます。三味線には仕込刀があり、戦闘でもシンケンジャーに引けを取りません。ドウコクを抑えることができる唯一の存在で、彼女の前でのみドウコクは甘い一面を見せますが、「はぐれもの」であるため、他のアヤカシたちには蔑意を持たれていて、目が合っただけでも険悪な空気になるのでドウコクが制止に入ることも多くみられます。
骨のシタリ
声:チョー ドウコクの一味の知恵袋。異様に大きな頭部を持つ、比較的小柄な体格の外道衆。一人称は「あたし」、二人称は「お前さん」。三途の川増水のための作戦を日々考えていて、作戦に応じた外道衆を呼び寄せるなどの軍師的な役割を持ちます。また三途の川の深さを調べる役目もあります。常に持っている錫杖は、隙間から人間界を覗き見たり、先端から電撃を飛ばして攻撃もできます。ゴズナグモなどはシタリのことを「御老体」と呼んでいて、劇中の描写から人間より遥かに長い寿命を持つことが見て取れる外道衆の中にあっても老人と言える程の歳を重ねています。怠惰なように見えて物腰が軽く、飄々としていて全く捉えどころがありませんが、十臓の態度を訝しみ、志葉家にまつわる書物を探して彼がシンケンレッドにまつわる特有の力を伏せていたことを突き止めるなど、勘の鋭いところもあります。
腑破 十臓(ふわ じゅうぞう)
声・人間体:唐橋充 外道衆のはぐれ者。峰側が赤い鋸となっている両刃の妖刀「裏正(うらまさ)」を振るう剣の達人。人間の姿に戻ることもでき、それゆえにドウコクの完全な支配下に置かれることもありませんが、はぐれ外道ゆえか命は一つしか持っておらず、二の目となる能力はありません。人間だった頃から、妻には止められ死病にも侵されながらも、「強い者と骨の髄まで斬り合うこと」を求めて人斬りを繰り返していて、筋殻アクマロから十臓の家族の魂を閉じ込めて造られた裏正を授けられた後、我が身を見限って「外道に堕ちる」。外道に堕ちてもなお戦いへの飢えは満たされず、自分の在り方に虚無感を持つ丈瑠を自分と裏正に見合う相手と認め、剣士として幾度となく立ち合いを繰り返すこととなります。源太の寿司を気に入るという一面もあります。
筋殻アクマロ(すじがらのアクマロ)
声:堀川りょう 三途の川の底に眠っていた謎の外道衆。第二十八幕でドウコクの「夏の力」により復活して六門船に姿を現ります。一人称は「我」、二人称は「あんたさん」。ドウコクやシタリさえもその存在を知らなかったが、「かつて、シンケンジャーと言えばもっと強く…」との台詞から以前のシンケンジャーとは戦闘経験がある様子です。ドウコクに対しては低姿勢で接してはいますが、独特の公家言葉でしゃべる端々には傲慢さがうかがえ、その性格からシタリはあまり彼のことをよく思っていません。人間界への攻撃や作戦立案も独自に行ってて、ドウコクに従属しつつも距離を置いていましたが、人間界をさまよっていた十臓と太夫を仲間に雇うなど水面下で暗躍し、第四十幕にてドウコクに対し反乱しました。